世界 日本
事象 人、団体 備考 事象 人、団体 備考
鎮痛と催眠作用のあるネベンテという薬を患者に与えて無痛下に手術を行った ギリシャの医神アスクレピアス
阿片、ヒヨス、マンダラゲなどを海綿に浸して作った催眠海綿を用いて痛みを和らげた Hippocrates / Galen
1540 エーテルの合成に成功 V. Cordus ドイツの医師
1689 表面麻酔下に兎唇術を行う 高嶺 徳明 琉球
1771 酸素の発見 J. Priestley / K. W. Scheele /
1772 亜酸化窒素の発見 J. Priestley
1779 亜酸化窒素の麻酔作用を発見し、笑気と名づける H. Davy
1804 阿片からモルヒネを単離 F. W. A. Sertüner 1804
 「通仙散」による全身麻酔下に乳癌の手術に成功
華岡 青洲
1831 クロロホルムの創製 J. V. Liebig / E. Soubeiran / S. Guthrie それぞれ無関係に同年に創製
1842 エーテル麻酔による抜歯成功 W. E. Clarke
エーテル麻酔により頸部腫瘤の摘出に成功 C.W. Long
1844 自身の抜歯に笑気を使用し無痛を得る H. Wells 歯科医師
1845 笑気ガスの公開実験に失敗 H. Wells
1846
 エーテルの公開実験
W. T. G. Morton 歯科医師
麻酔 (anesyhesia) という用語が初めて用いられる O. W. Holmes W. T. G. Morton の友人が彼の実験を見て発案
1847 クロロホルムの臨床応用開始 J. Y. Simpson エジンバラ大学
エーテル麻酔による無痛分娩行われる J. Y. Simpson
最初の麻酔科専門医誕生 J. Snow ロンドン
エーテルの直腸麻酔を記述 N. Pirogoff ロシア
1850 「済生備考」にはじめて’麻酔’という文字が見られる 杉田 成郷
1853 Victoria 女王の第八子、Leopord王子の出産に際して、クロロホルム麻酔を用いた無痛分娩を行った。世間一般に無痛分娩が受け入れられる契機となる J. Snow
1855 本邦初のエーテル麻酔が行われる 杉田 成郷
1857 Victoria 女王の第九子、Beatrice王女の出産に際して、クロロホルム麻酔を用いた無痛分娩を行った J. Snow 1857 クロロホルム麻酔紹介される P. von Meerdevoort オランダ海軍軍医
1860 コカインの精製 A. Niemann
1861 本邦初のクロロホルム麻酔行われる 伊東 玄朴
1862 コカインの舌粘膜に対する麻酔性の報告 Schroff
1864 バルビタール酸の発見 von Baeyer
1868 笑気ガスに20%の酸素を併用 E. W. Andrews シカゴの外科医
1869 気管内挿管(経気管切開下) Trendelenburg
トリクロールエチレンの発見 Fischer 化学者
1875 抱水クロラールの静注により麻酔に成功 Oré
1876 笑気ーエーテル麻酔を始める J. Clover
1878 本邦に初めてコカインが輸入される ラスベ商会 病院用見本品
1880 経口気管挿管の提唱 W. MackEwen グラスゴー
1881 クロロホルム麻酔に先立ちモルヒネによる前投薬を行う A. Crombll インド
1884 コカイン臨床応用を表面麻酔に用いる C. Koller
1885 コカインの注射による神経ブロック法と表面麻酔法を報告 Halsted 1885 コカインの臨床使用開始(抜歯)
硬膜外麻酔に成功 L. Corning 伊野 春毅
1887 麻黄からエフェドリンの単離に成功 長井長義ら
1889 伝達麻酔を一般に広く応用 M. Oberst
1891 トロポコカインの分離 Giesel 1891 米国から笑気の吸入器を持ち帰り抜歯に用いた 片山 敦彦
1893 London Society of Anaesthetists発足
1894 コカインに局所麻酔薬の名を与えた k. L. Schleich
クロールエチルを吸入させ抜歯に成功 Carlson
1895 笑気ガス麻酔器を米国から輸入 神翁 金斉
1896 歯科学会で神翁の麻酔器を使い笑気の吸入実験行われる 伊沢信平
1897 コカイン溶液にエピネフリンを加えると吸収を遅延し、麻酔時間を延長する事を発表 H. Braun
1899 脊椎麻酔の臨床応用 A. Bier キール大学
1900 アドレナリンの抽出に成功(ホルモン発見) 高峰譲吉ら
1901 エーテル点滴迷朦麻酔始まる P. Sudeck 1901 本邦初の脊椎麻酔の症例報告及び世界初のモルヒネくも膜下投与 北川 乙冶郎 名古屋
1902 電気睡眠に成功 Le Duc & Rouxeau
1903 本邦に硬膜外麻酔紹介される
1904 BuchananがNew York Medical College で米国で初めての麻酔学教授(College)に就任
1905 塩酸プロカインの合成 A. Einhorn
Long island Society of anesthetists 設立 Erdmann
1909 プロカイン静脈注射による局所麻酔を開始 A. Bier 1909 本邦で硬膜外麻酔が手術に応用される
1910 ガスの再呼吸法を唱導 Gatch
1910 電気麻酔下に足の切断に成功 L. Rovinovitch
1911 Long island Society of anesthetists が New York Society of anesthetists となる
部分的再呼吸法完成 McKesson
1913 人の麻酔をするのに必要なエーテル蒸気の張力は50mmHgとなることをしめす C. Connell
1914 雑誌American Journal of Anesthesia and Analgesia が American Journal of Surgery の季刊発行の臨時増刊として創刊
1918 エチレンの麻酔作用発見 A. B. Luckhert
1919 National Anesthesia research Society 設立 McMechan
1920 エーテル麻酔深度を4期に分類 Guedel
1921 「アルコールによる経静脈的点滴麻酔法」(独文)発表 中川小四郎 東北帝国大学杉村外科
1922 雑誌 Current Researches in Anesthesia and Analgesia 創刊
アセチレンの麻酔作用報告される H. Wieland & C. J. Gauss
1923 エチレン臨床応用 A. B. Luckhert
米国初の麻酔科研修医(Iowa)誕生 Mary A. Ross, M.D.
雑誌 British Journal of Anaesthesia 創刊
1924 National Anesthesia research Society が International Anesthesia research Society (IARS) となる
Mayo Clinic 麻酔科創設 Dr. John S. Lundy
1926 雑誌American Journal of Anesthesia and Analgesia 廃刊
1927 University of Wisconsin で米国初の麻酔学担当の大学教授(University)誕生 Dr. Ralph M. Waters
Anesthetist's travel club 設立
1928 盲目的経鼻気管内挿管を普及 Magill
1929 ジブカイン開発
1930 テトラカイン開発
1932 Association of Anesthetists of Great Britain and Irland (AAGBI) 設立
1933 サイクロプロペン麻酔の臨床応用 R. Waters & E. A. Rosenstein
1934 チオペンタール(Pentothal)を用いて麻酔を導入した J. S. Lundy 1934 歯科麻酔学講座が設けられる 日本歯科医学専門学校
1935 New York の Bellevue Hospital で麻酔科設立 Rovenstin
1936 New York Society of anesthetists が American Society of Anesthetists となる
1937 この年出版された Inhalation Anesthesia の中で、エーテルの麻酔深度を4期に分け解説 Guedel
1938 The American Board of Anesthesiology 設立 1938 「メーヨーに於ける外科麻酔の近況」の中で米国の麻酔の現況が報告され、気管内麻酔についても詳述されているが、大戦前の国情により普及しなかった 永江大助 陸軍軍医学校外科学教官
1940 雑誌 Anesthesiology 創刊
持続脊椎麻酔法の発表 W. T. Lemmon フィラデルフィア
1941 ジブカインの高比重液を用い体位によって麻酔のレベルを任意に変える方法を発表 朴蘭秀・斎藤眞 名古屋大学
太平洋戦争開戦
1942 クラーレが全身麻酔に用いられる H. Griffith & E. Johnson モントリオール
1943 リドカイン合成 Löfgen & Lundgvist
マッキントッシュ型喉頭鏡の発明 Mackintosh
1945 American Society of Anesthetists が American Society of Anesthesiologists となる 1945 太平洋戦争開戦終戦
1946 雑誌 Anaesthesia 創刊
1947 リドカイン臨床応用 Gordh
1948 低血圧麻酔を心臓外科手術に応用 Griffith & Gillies
1949 サクシニルコリンの筋弛緩作用発見 A. P. Philips
1950 低体温を心臓外科手術に応用 W. G. Bigelow 1950 日米連合医学者協議会開催される Saklad博士ら来日 日本の麻酔科医が戦後初めて米国の進んだ麻酔に触れる
1951 サクシニルコリン臨床応用 von Dardel & Mayerhofer 1951 チオペンタールナトリウム国産化成功 田辺製薬 ラボナールの名前で市販
アンモニアの直接酸化法により笑気の試験製造開始 昭和電工社
1952 雑誌 der Anaesthetist 創刊 1952 日本初の麻酔学講座が開設された 東京大学医学部
サクシニルコリン使用される
雑誌 「麻酔」 創刊
1953 Association of University Anesthetists 設立
Residency Review Committee in Anesthesiology 設立
1954 雑誌 Canadian Anaesthetist's Society Journal 創刊 1954 第1回日本麻酔学会総会開催 豊島公会堂
Anaesthetists travel Club が Academy of Anesthesiology となる 雑誌「麻酔」が日本麻酔科学会準機関紙となる
1955 本邦におけるはじめての笑気製造販売 別府化学社
1956 メピバカイン合成 Ekstam & Egner 1956 昭和電工が笑気の製造販売開始 昭和電工社
ハロタン合成 C. W. Sucking
1957 メピバカイン臨床応用 Dhunér 1957 ハロタンが日本に紹介される
雑誌 Survey of Anesthesiology 創刊
雑誌 Acta Anesthesiologica Scandinavica 創刊
雑誌 Current reseaches in Anesthesia and Analgesia が Anesthesia and Analgesia, Current Reseaches となる
1958 Audio Digest Anesthesiology の初収録
1959 メトキシフルラン臨床導入 von Pouznak & J. F. Artusio コーネル大学
NLA 紹介される De Castro & P. Mundeleer
1962 麻酔指導医制度発足
1963 ブピバカイン臨床応用 Widman 1963 第1回日本麻酔学会麻酔指導医認定試験施行
エンフルレン合成 R. C. Terrrell
ドロペリドール合成 P. A. J. Jansen
悪性高熱の発見
1964 ヒトにおけるMACを「皮膚切開に対し50%の患者が体動を示す時点の肺胞内最小麻酔薬濃度」と定義 Saidman & Eager 1964 メトキシフルラン臨床使用開始
1965 イソフルレン合成 R. C. Terrell 1965 国立小児病院開設
フェンタニル合成 P. A. J. Jansen
ケタミン開発 E. F. Domino & G. Corssen
1966 エンフルレン適応除外 Virtue
デスフルレン合成される R. C. Terrell
1967 臭化パンクロニウム臨床応用
ARDSの提唱
PEEP応用
1968 セボフルレン合成される Regan
society of Academic Anesthesia Chairmen 設立
1969 心臓手術における大量モルフィン麻酔の使用を広める契機となる論文を発表 Lowenstein
1971 セボフルレンの優れた麻酔作用報告 Wallin 1971 日本小児麻酔研究会
IMV開発 1971頃 NLA 変法が用いられ始める
1972 エンフルレン第T相試験開始
1973 Laryngeal Mask の発明 A. Brain
Sevoflurane, Isoflurane の臨床応用
米国でエンフルレン再評価され発売 Dobkin
雑誌 Critical Care Medicine 創刊
1975 イソフルレン臨床試験開始
American Society of regional Anesthesia 設立
1976 セボフルレン米国で第T相試験開始
ミダゾラム開発される Walser
雑誌 Regional Anesthesia 創刊
1979 臭化ベクロニウム臨床応用
雑誌 Anesthesia and Analgesia, Current Reseaches が Anesthesia and Analgesia となる
1980 イソフルレンFDAの許可を受ける
1981 エンフルラン市販
日本臨床麻酔学会設立、学会機関紙「日本臨床麻酔学会誌」創刊
1983 丸石製薬が Traverol Laboratories, Inc. よりセボフルレンの開発権利取得
1984 大豆油を溶媒としたプロポフォールの導入
1985 Anesthesia Patient Safety Foundation 設立 1985 イソフルレン第T相試験開始 山村 秀夫ら
1985
 セボフルレン第T相試験開始。吸入麻酔薬の臨床での有用性が日本において証明された始めてのケースである
池田 和之ら 浜松医科大学
1986 Foundation for Anesthesia Education and research 設立
1987 デスフランの有用性の報告 Eger 1987 日本麻酔学会機関紙 Journal of Anesthesia 創刊
1989 プロポフォール臨床使用開始
1990 イソフルレン発売
セボフルレン発売 丸石製薬
1992 デスフルラン臨床使用開始
1995 プロポフォール臨床使用開始


麻酔器材史

世界 日本
事象 人、団体 備考 事象 人、団体 備考
1831 プラバーズ注射器の発明 C. G. Pravaz
1854 中空の金属針開発 Wood
1867 鼻と口を覆う笑気ガス吸入器の製作 S. S. White 社 歯科機械店
1867 クロロホルムと空気のパーセンテージが調節できる新しいクロロホルム吸入器を開発 J. Clover
1872 笑気を鉄筒に詰める事に成功し、笑気吸入器を製作 Johnston 兄弟 1872 Junker 麻酔器が日本に紹介される
1877 エーテル濃度を調節できる携帯式麻酔器製作 J. Clover
1878 日本で最初の医科機器カタログ「医療器械図譜」。エーテル噴霧による寒冷麻痺器「Richardson 氏装置」、全身麻酔器「Esmarch 氏網状迷朦器、Junker 氏迷朦器、Trendelenburg 氏気管塞栓装置」 いわしや(松本)一左衛門
1882 エーテルクロロホルム麻酔器を開発 S. J. Hayes
1886 アンプル完成 Limousin パリの薬剤師
1887 一定濃度に調節可能の笑気ガスと酸素の混合麻酔器(吸入器)を製作した F. W. Hewitt
1889 笑気・クロロホルム麻酔器を開発 G. H. Hurd
1892 Hewitt の笑気ー酸素吸入器実用化 F. W. Hewitt
1892 Clover's face piece を考案した
1895 直接喉頭鏡検査器 A. Kirstein ベルリン
1898 濃度調節可能な麻酔器 S. S. White Nitrous Oxide and Oxygen Machine 製作 S. S. White 社
1900 国産のガラス製注射器開発 生地 仙之助 & 盛林堂 東京神田
1902 笑気ー酸素麻酔器の製作 C. K. Teter
1904 Roth-Drägersh Mischapparat を用いて Ather-Croroform narcose を大きく改良 B. Korenig
1910 初めて正確なパーセンテージの間欠的流量調節のできる笑気ー酸素麻酔器を完成させる E. I. McKesson
1911 笑気ー酸素による "timed anesthesia" を開発、減量計を流量計として使用 J. A. Heidbrink
1912 Hewitt の笑気ー酸素吸入器が改良されポータブルに F. W. Hewitt
1912 麻酔器に流量計 "bubble flow-meter をつける J. T. Gwathmey
1914 減量弁のない笑気ー酸素麻酔器を製作 R. V. Foregger
1917 酸素マスクの開発 Poulton
1924 往復式麻酔器に二酸化炭素吸収装置(ソーダ・ライム)を取り付けた Waters, R
1923 4基の hanger yoke (ボンベ装着装置)とエーテル気化器を備えた Seattle 型麻酔器を開発 R. V. Forreger
1924 麻酔バッグの圧による作動開閉弁と笑気、エチレン、炭酸ガス、酸素にそれぞれ2基の hanger yoke とエーテル気化器を備えた Lundy-Heidbrink 型麻酔器を開発 J. A. Heidbrink
1926 Lundy-Heidbrink 型麻酔器が日本に導入され’ミゼット型’と呼ばれた
1930 循環式麻酔呼吸回路および二酸化炭素吸収装置を発表 Sword 1930頃 本邦で Ombrédanne 麻酔器が使用され始める
1932 Mackintosh のブレード開発される Mackintosh
1933 Rüsh 製気管チューブ輸入 W. フレードルフ商会
1949
 国産麻酔器第一号試作
林周一、綿貫  泉工社が協力
1950 国産のソーダライム作られる 和光純薬鉱業
1951 Heidbrinkの麻酔器輸入される
1952 全プラスチック製のディスポーザブル注射器完成
1954 Foregger の麻酔器が日本に輸入された


Reference 

谷津 三雄: 麻酔の歴史. 最新麻酔科学改訂第2版. 克誠堂出版; 1995

松木 明知: 日本における脊椎麻酔死. 克誠堂出版; 1999

松木 明知: ”麻酔科学”の歴史. Lisa 2001; Vol. 8 No. 1: 86

松木 明知: 横切った流星 先駆的医師たちの軌跡. メディサイエンス社; 1990

山田 満: 近代麻酔科学の夜明け. Lisa 2001; Vol. 8 No. 1: 90

山村 秀夫: 吸入麻酔の歩み. Lisa 2001; Vol. 8 No. 2: 180

高橋 長雄: 静脈麻酔の歩み. Lisa 2001; Vol. 8 No. 2: 184

社団法人日本麻酔学会 50年史

渋谷 欣一: バランス麻酔:最近の進歩, 改訂第2版. 克誠堂出版; 2005

Ronald D. Miller; Basics of Anesthesia