中津市は大分県の北西にあり、市内を流れる山国川が周防灘に注ぐ、風光明媚な都市です

 最近、北九州空港が開港ましたので、記念にと思って利用してみました。新設の海上空港は観光名所と見まごうばかりの盛況ぶりでした。空港から中津へは距離は差ほどではないものの、アクセスが悪くちょっと不便でした

 中津城:黒田如水が築城に着手し、奥平氏累代が城主をつとめました。堀には海水を引き込める様になっており、日本三大水城の一つに数えられます

 奥平公庇護の下、中津蘭学の芽は育ち福澤諭吉で結実したと言われています

 長崎街道から離れ、決して地勢学的に有利では無かった中津でこれほどまでに蘭学が興隆したのは、奥平公の貢献が非常に大きかったそうです

 中津城にある碑文には、中津蘭学の流れが解りやすく解説されていました

 福澤旧居:福澤諭吉の母の実家

 諭吉は中津藩の江戸屋敷で生まれましたが、幼少のみぎりに父が急逝したため、一家は母の実家に身を寄せました

 諭吉が少年時代に勉学に励んだ土蔵は、残念ながら修理中で見学出来ませんでした
 併設の資料館では諭吉に関する数多くの資料を見学したり、ビデオを見ることができます

 また、財務省より諭吉ゆかりの中津市に送られた新旧一万円札の1号券が展示されていました。額面はあくまで1万円ですがもし、市場にでたらいくらになるんだろうなどと考えてしまいました
 兎にも角にも中津の皆さんの福澤先生に関する思い入れは並々ならぬ物があります。いたるところで立像を見かけるのですが、こんな所にもいらっしゃいましたよ!

 大江医科資料館:代々中津藩の御典医を勤めた大江家に伝わる資料を保存しています

 華岡青洲に関する資料も数点ありました
 乳癌治験録も見ることができました
 裏にある薬草園にはもちろん、マンダラゲの苗も植えてありました

 村上医科資料館:九州で初めて人体解剖を行った村上玄水の資料などを保存。古い薬瓶など道具の展示も充実していました

 2つの資料館共通入場券を購入すると少しお得になります

 村上医科資料館には、高野長英をかくまった土蔵も現存します。土蔵の中では、中津近郊から出てきた貴重な文献資料を見学する事が出来ます。漫画JINにも出てきた緒方洪庵著「虎狼痢治準」や、「中條秘伝法」なども見学できます



 中津城下はそう広くもない為、上記の所は歩いて回れます。地元ロータリークラブの寄贈による観光案内板がいたるところにありますので、それらを読みながらのんびり回るのが良いでしょう
 2006年5月13・14に第107回日本医史学会総会・学術集会が中津で開催されました。会長は地元中津の先哲の事跡を顕彰し続けてこられた川嶌 眞人(かわしま まひと)先生

 蘭学の里中津ならではの企画なども織り交ぜた、素晴らしい学会でした
 中津近郊から出てきた貴重な品々を一同に集めた特別展示。普段未公開の品々などもあり、大変興味深い企画でした。中でも、100年前に心臓の刺激伝導系を発見した田原淳の研究ノートが素晴らしかったです