トゥールーズ短期研修報告

 足立裕史(静岡県出身)

産婦人科麻酔(注:第一回目・二回目と重複する部分は省略しています)
 2006年9月23日から10月12日まで、ピュルパン病院にて研修させていただきました

 写真は小児病院の入り口
 トゥールーズ大学麻酔科のサミー先生

 とても優しく大きな方でした
 最初の2週間は産婦人科麻酔を見学しました

 産婦人科病棟で一つの大きな病院となっており、Hopital Paul Viguie と呼ばれています

 向かって左は同じ時期にイランから研修に来ていたムハマド先生

 真ん中は産科麻酔の大御所デスプラ先生

 右は麻酔看護師のジョージュさん
 噂に聞いていたデスプラ先生の一般向け無痛分娩講義はとても熱いものでした
 4割ほどの妊婦さんがパートナーと共に話を聞きに来ていましたが、男性の方が興味津々で、この日もかぶり付きで見ていたのは旦那さんのほうでした
 デスプラ先生はとにかく良く働きます。週二日ほどの麻酔術前診察の日には予約の患者さん30-40人ほど!の診察を行います。

 人数が多いので既往歴、アレルギーチェックと脊椎の診察に重きをおいて淡々と診察していきます。説明は上記説明会でとことんやるので、妊婦さんも無痛分娩についてのイメージはつかめているようで、麻酔法についての質問はほとんどありません
 妊婦さんが痛いと言い出したら無痛分娩開始です

 担当助産士からの呼び出しコールで駆けつけます
 薬剤はロピバカインを用います

 日本以外の国では共通にナロペインという名前で売られています

 デスプラ先生は0.35%とやや濃い目をお好みですが、運動麻痺はほとんど生じません
 痛みが取れない患者さんには、まずカテの位置を確かめた後に2%リドカインを豪快に追加します
 薬が効きすぎると陣痛も止まってしまいますが、助産士さんが淡々とOxytocin div を始めます
 手術と共通の麻酔チャートは手書きです。患者既往なども書き込めるようになっていて、一冊のカルテが出来上がる感じです
 分娩室のすぐ近くに手術室が2室あり、帝王切開の麻酔などが行なわれます

 脊椎麻酔の様子ですが、立って穿刺しています
 脊椎麻酔の薬が入ると加圧バッグでビューッと輸液します。量は人それぞれでした 
 大分子量のコロイド製剤が用いられていましたが、ルーチンという訳ではなさそうでした
 婦人科手術室では子宮鏡の小手術が行なわれていました
 還流液には未だにGlycineが用いられていました
 術後にはNSAIDsとondansetronカクテルが用いられていました
 Hopital paul viguie の地下には不妊治療を専門に行なうセクションがあります
 採卵の麻酔を Para Cervical Block で行なっていました

 フランスでは局所麻酔でもブロックでも麻酔と名のつくものは麻酔科医が担当します
 針先が2mmしか刺入されない特製針

  エピネフリン添加1%リドカインで麻酔 します。?9時、15時の部位へ2,3mlずつ投与 。7時、17時へも追加  
 不妊治療専門のリカバリーが用意されています

 術後はアセトアミノフェンがルーチンに投与されていました
ICU(注:第一回目・二回目と重複する部分は省略しています)
 URGENCE(成人救急)部門のICUで研修させていただきました

 フランスではドクターヘリを用いた救急体制が発達しており、Purpan 病院のヘリポートにも頻繁に離発着があります
 URGENCE2階(日本の3階)では外傷手術後の患者さんを担当しています

 病床は16床で全て個室です

 この階には他に脳外科の術後ICUもあります
 交通事故による外傷の患者さんが多いようです
 カルテを書いたりコピーをとったりする部屋

 意外に狭く、広い病室とは対照的でした
 肺炎等感染症を合併した患者さんの部屋への入室にはガウンテクニックが要求されています
 シリンジポンプの列

 治療に対するストラテジーはだいぶ異なりますが、装備的には浜松医大と大差ありませんでした

「病院研修を終えて」

国内の施設でも良いのでしょうが、海外から出ているペーパーに記述されている医療環境を実体験でき、大変有意義でした

百聞は一見にしかず、自分の肌で感じる事をお勧めします。(少しでも仏語を覚えて行くとより良いです)
生活
 今回お世話になった長期滞在者向けアパートメント

 一泊約7,000円でした
 こざっぱりした机

 電話は別契約ですが、ワイヤレスLAN完備でした
 
 ソファーベッドは折りたたみ式

 シーツ交換、清掃は週1回
 簡単なキッチンがついているので、近隣のスーパーで食材を買って自炊できます
 とても大きなeggplant

 量り売りでした
 煮込み料理など作っていました

 ナゲットとハム、チーズとワイン
 バスルーム

 まずまず綺麗 でしたがバスタブはありません
 休日には近郊へ足を伸ばしました

 北へ鉄道で1時間少々

 ローマ時代から繁栄していたカオールの橋です


 東へ1時間大聖堂があるアルビにも足を運びました
 南へ鉄道で1時間少々

 世界遺産のカルカッソンヌ
 南西へ鉄道で2時間

 どんな病気も癒されるルルドの泉

 敬虔な信者が長い列を作っていました。車椅子の患者さんなどは最優先で列の先頭へ通されていました
 病院からタクシーで15分

 エアバス工場見学

 出遅れているA380を売り込むためか、A380の見学ツアーのコースのみに変更されており、コンコルドは見られませんでした