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はじめに

 麻酔は抗生物質、消毒薬などと並び、現代医学の偉大な発見の一つとされています

 もし、現代に麻酔が無かったら、今ではあたりまえに行われる癌や心臓の手術など、多くの手術を行う事は到底できません

 このコーナーでは’麻酔’という物をできるだけ平易な言葉でご説明させていただきます。そのため、厳密な定義とは少しずれる可能性がございます。どうぞご容赦下さい


麻酔の歴史

 「手術の時に、痛みや意識を取り去り、眠っているうちに安全に手術が行われる」という素晴らしい現代の麻酔も、いきなり現在の様になったのではなく、長い時間をかけてゆっくり進歩してきました

 世界ではじめて全身麻酔を行った人は、有吉佐和子の小説でもなじみの深い、江戸時代の医師「華岡青洲」です。青洲は世界ではじめて「通仙散」という麻酔薬を用いて全身麻酔を行いました。それまでの手術は痛がる患者様を無理やり押さえつけて行うものでしたが、青洲に麻酔をかけられた患者は眠っているうちに手術を受けることができました。青洲の麻酔は素晴らしいものでしたが、安易に麻酔薬だけが一人歩きしてしまうと麻酔による事故が多発し、多くの人を危険な目に合わせる事を青洲は悟っていました。そのため、青洲は自分の下で十分に修行を積んだ者にしか麻酔薬の使い方を教えませんでした

 華岡青洲と彼の用いた麻酔薬の主成分である、曼荼羅華(朝鮮アサガオ)が描かれている

 切手は第100回日本外科学会総会を記念して発行されたもの

  その後、エーテルやクロロホルムといった物質に麻酔作用がある事が見出され、広く手術麻酔に用いられるようになりましたが、利便性や安全性に難がありました。近代になり、科学の進歩と共に、それら欠点を克服する様な麻酔薬が合成できるようになりました。現在では「ごく短時間に深い眠りが得られ、手術が終わった時にはすぐ醒め、安全である」といった、一昔前に比べると格段に良い薬が用いられています

 左ははじめにエーテル麻酔の公開実験に成功したモートン

 右ははじめにクロロホルムを臨床に用いたシンプソン
 
 麻酔薬の進化に平行して、麻酔中に患者様の状態を監視するモニターの開発も、麻酔の安全性の向上に寄与してきました。なかでも日本人が開発した、「パルスオキシメーター」という光を用いて体内の酸素の量を測る機械は、人の体を傷つけることなく重要な情報がリアルタイムで得られる機器として、今日では世界中で用いられています

 パルスオキシメーターの開発者 青柳卓雄博士

 写真は浜松医大麻酔科が主催した、集中治療学会東海地方会にてご講演いただいた際のもの

 上記の様に、今日では麻酔薬、麻酔関連機器の性能は格段に上がってきましたが、より安全で快適な麻酔が行えるよう、私達麻酔科医はこれからも努力してまいります


麻酔の種類

 麻酔には様々な種類があり、いくつかの麻酔方法を一緒に行うこともあります。実際の手術で、どの麻酔が行われるかは、術前麻酔科診察にて、手術の内容や患者さんの体の状態、各麻酔の利点、欠点などを総合的に判断した上で決定されます

 
それぞれの麻酔の詳しい内容については、お知りになりたい項目をクリックして下さい

   全身麻酔   脊椎麻酔(脊髄くも膜下麻酔)   硬膜外麻酔   伝達麻酔   局所麻酔



麻酔を受ける時に注意していただきたいこと

 禁煙:喫煙されている方は、手術後に咳や痰が多くなります。そのために痰が肺につまって無気肺などの呼吸器合併症を発症する危険が高くなります。また、手術した場所の感染の危険性が高くなるとされています。できれば30日以上の禁煙が勧められていますが、遅くとも手術を決められたその日から禁煙をして下さい

 通常飲んでいる内服薬:通常飲んでいる内服薬には、手術や麻酔に影響を与えるものがあります。術前には必ず、飲んでいるお薬を看護師・主治医・麻酔科医等にお知らせください。手術前にどのお薬を飲んでいただくかについては、術前にお伝えします。漢方薬や栄養補助食品(サプリメント)などの中にも、手術や麻酔に影響を与えるものがありますので、お知らせください

 絶飲食:麻酔の際に嘔吐を起こし、吐いたものが誤って肺に入らないように麻酔を受ける前には胃の中を空にしておく必要があります。麻酔前絶飲食の開始時期については、術前診察の時にご説明します。消化器の手術では外科の先生からの具体的な指示が優先されます

 手術・麻酔の延期や中止について:以下のような場合には手術・麻酔が延期あるいは中止になることがありますので、ご注意ください

1 風邪や気管支炎などの症状、高熱などがみられる時
2 手術や麻酔に不都合な病気が新たに発見された時
3 絶飲食が守られていない時
4 予防注射後、十分な期間が経過していない時
5 宗教上特別な配慮が必要な時
6 その他、全身状態が変化して手術や麻酔が危険だと判断された時

Q&A

「麻酔をかけられると目が醒めなくなるんじゃないか?」「お酒をたくさん飲む人は麻酔にかかりづらいの?」などといった、麻酔に関する疑問にお答えします。入り口はこちら



 
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